
ZC33S で、車高を下げたいアナタへ
スイフトスポーツを買った。やっぱりローダウンしたい。車高を落としたい。そんな方にお伝えしたい。
ZC33Sスイフトスポーツの純正の足回りは本当によくできている。
モンロー製ショックアブソーバーのしなやかな動きの良さ、当たりの良さ。あらゆる路面状況にも対応したセッティング。
※モンローとは米テネコオートモーティブ社のショックアブゾーバ・ブランドの名前。
ショックアブゾーバー黎明期からの歴史がある老舗。アメリカ車だけでなく欧州車にも多数採用されている。ドイツ・ザックスと並ぶブランドだ。
純正の足回りは、我々のようなドライバーが、ちょっと速めに、気持ちよく走れるようセットアップされており、街乗りから峠まで抜群の走行性能を発揮する。
筆者は、1万キロまで純正で乗り、車高を落とすべく、TEIN FLEXZに交換。
15000kmでEDFC ACTIVE PROを導入。そして今現在35000kmを走破している。
過日、ノーマルスイフトのRStに乗ったり、久々に純正足のZC33Sに乗る機会があり、再確認した。
乗り心地でいうならやっぱり「純正が一番」である、と。
この乗り心地を捨てる覚悟がある勇者のみがローダウンの橋を渡れる。
覚悟はあるか?
そうまで言いたくなるほどに、純正の乗り味はさすがメーカーチューンだと唸るデキだ。
それでも車高は落としたい・・・
だがしかし、理屈はわかった。純正の足の良さもわかった。
でも、でもあのフェンダーの隙間だけは許せない。
あのお気に入りのホイールを履くために車高は落としたい。
車高短、シャコタンにしたい!!
覚悟はわかった。
実際、車高を落とすだけで雰囲気はかなり変わる。
選択肢としては、バネだけを交換するローダウンサスペンションと、ごっそり一式換えてしまう車高調整サスペンションキット、通称車高調がある。
そこで筆者が導入したのは車高調整サスペンションキットである。
いわゆる入門用、ストリート車高調というやつだ。
理由は、車高調なら車高と減衰力を自分好みに調整できるから、である。
さらにその数ある車高調キットから選んだのがTEIN FLEX Zなのだ。




写真のアングルが異なるので一概に言えないが、雰囲気はグッと変わる。
ロー&ワイド感が出て、やはりカッコイイのは言うまでもない。
TEIN FLEX Zってどうなの?

TEIN FLEX Zは、TEIN社が発売するストリート向け車高調整サスペンションである。
構造を安価な複筒式にしたり、ダンパー本体をシールド化してコストを抑えたモデル。
ちなみにオーバーホールは出来ず、中をカセット式に交換する構造になっている。
取り付け工賃を入れて10万円~12万円位(店舗によって異なる)で、ユーザーとしては「これくらいなら」と思えるギリギリのあたりに価格設定してある。
これを書いているMetabon宮及び石氏もユーザーの1人である。
果たしてどうなのか?
結論から言えば、
乗り心地は、車高を下げた割には悪くない、と感じるレベルにはある。
そこは車高とのトレードオフとして納得できる人なら大丈夫だ。
ただ、これは「車高を下げると乗り心地が悪くなる」という経験がある人の話である。
車高調整サスペンションキットの売り文句の「快適な乗り心地」という言葉に騙されてはいけない。あくまで車高を下げた割には、なのだ。このあたり、覚悟が必要な理由だ。
走りはどうなった?
FLEX Zにして走りはどうなったか?
この車高調整ダンパーは減衰力(硬さ)を16段階に調整できるようになっている。
前を○段、後ろを△段というふうに自分でセッティングできる。
取り付けてもらった時は前後とも真ん中の8に設定されていた。
この状態でどうだったか、というと
市街地を流れに乗って走る。少々路面の凸凹を拾いゴツゴツするものの、不快な揺れは少なく、クルマ全体がガッチリした感じがする。悪くない。
田舎道に入る。速度を上げる。
コーナーでは、車高が下がって重心が下がったのか、ぐらっとしたロールが減り、かなり曲がりやすくなったと感じた。
純正よりスポーツ性能が上がったと言ってもいいかもしれない。
しかし、大き目のギャップを拾うと「ドガッ」という鋭いショックがおしりを直撃する。
これには、最初うわっと驚く。ビシッというキツイ突き上げはノーマルではなかったものだからだ。
ならば、と減衰力調整に乗り出す。最初はどこをどうすればいいかわからない。
ボンネットを開けて、ネジを捻る。同様にリアハッチを開けてネジを捻る。
とりあえずエンジンのある前を固め、リアを柔らかめにセッティング。
試行錯誤して真ん中設定よりは良くなるが、残念ながらどんな道でもベストマッチとはいかない。
やわらかくすれば揺れがおさまらないし、硬くすればキツイ突き上げがくる。
なかなかちょうどいい、がないことに気付く。
やがて調整も面倒になってやらなくなってしまった(笑)。
走り、というとやはり乗り心地も含めたものになることに気付く。
コーナーは確かに楽しくなった。しかし、乗り心地は正直、イマイチだ。これで「走りがイイ」と言えるだろうか。
時々脳髄に響く突き上げがあるけど「走りがイイ」と言えるだろうか。
少なくとも競技車両じゃないのだから、走りに乗り心地も含まれてくる。
そういう点では「ストリート車高調」とはよく言ったものだと思う。
ストリートでかろうじて耐えられるだけの乗り心地にはなっているからだ。
まとめ
結論は冒頭にも書いたが純正の足回りはとてもよくできている。乗り味、乗り心地、日常性、スポーツ性すべてが高レベルでバランスされている。
で、それを捨てて、車高調整キットを入れると得られるのは何か。
低い車高と素晴らしいルックス。まずコレが一番だろう。満足度は高い。
そしてコーナリング性能の向上。
豊富な路面からの情報量。
失われるのは純正の持つ乗り心地の良さ。オールマイティさ。日常での使い勝手(車止めなど)。
そこまで考えたうえで、純正足回りから社外品へ交換することをおすすめしたい。
(決してダチョウ倶楽部の 「押すなよ押すなよ!!」ではない)
ちなみにMetabon宮は純正足はいつでも戻せるように倉庫にしまってある。
※乗り心地、走り心地を改善するために導入したEDFCの話はまた今度。
Metabon宮
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