ZC33S コラム

【乗らずに】スイフトスポーツ(6AT)に1年半、30000km走ってわかったこと【いられない!】

Metabon宮です。

スイフトスポーツに乗り始めて早いもので一年半が過ぎた。

この歳になって恥ずかしいが、ほぼ毎日、愛車スイフトスポーツのことを考えない日はない。全く飽きが来ない。これは散々クルマ道楽をしてきた自分としては凄いことである。

オジサンにとって、良いクルマは生活にハリを与えるものなのだ。

そこで、これまで宮号(6AT)に乗ってきて感じたことを振り返りたい。

満足しているところ

運転して楽しい!!
ステアリングを切る、クルマが向きを変える、この一連の当たり前の流れが実にナチュラルで気持ちが良い。軽すぎず、重すぎず、雑味もなく。まさに「意のままに」操るこの感覚に慣れてしまうと、ほかのクルマがダルに感じられてしまう。キビキビともちがう、しっとり落ち着いているのに、グイッと曲がるこの感覚は、乗らなきゃわからない。

○エンジン性能 最初に書いておくと、決して回して楽しいエンジンではない。音も良くない。醍醐味は、低速からレスポンスよく鬼のようなトルクが堪能できることに尽きる。回さないとパワーが出ないエンジンではなく、踏めばすぐに「速い」のだ。大トルク飼いならす喜び。それが飽きがこない要素の一つなっている。


街中で高回転を多用することはできない。しかし、回さなくてもトルクがあるので、ちょっとした加速など「ちょっと踏めばグンと出る」のでストレスがたまることが少ない。見せかけのスロットルをガバッと開いた「なんちゃって」の加速ではない。「身が詰まった加速」が味わえる。
もちろん、踏み抜けば怒涛の加速が。くれぐれも安全運転・法令順守で。

これだけのハイパワーながら非常に扱いやすく、誰もが高性能を楽しめる。
アクセルを踏み込むたびに高揚感に包まれ、アドレナリンが吹き出してしまう。

○トランスミッション(6AT) スポーツなのにAT、と当初は後ろめたい気持ちがあったが、このAT、出来が凄い。

変速プログラムがアクセルワークに敏感でマニュアル車的にも走らせられる、(踏み込み具合で引っ張りを変えてくれる)発進から速度に乗るまでに違和感がない。これはCVTではできない芸当だ。(マフラーを交換する上でも重要。ATでマフラーを換えても、ボエーとキレのない音を垂れ流す、という感じにはならない。)

次に俊敏な変速レスポンスに感動する。シフトダウンのスピードが速く、スポーツ走行でもじゅうぶん使える。もちろん保護のためレブリミットが低い(5500rpm)のと自動シフトアップは仕方ないが。Dレンジでも、上り坂、下り坂では無用なシフトアップをせず、エンジンブレーキを効かせる制御は素晴らしい。パドルシフトの反応も良く、ついカチカチやってしまうほど。Dレンジで走ればATとは思えないほど燃費が良い。
また、減速の制御が最新のATらしく、エンジンブレーキを効かせながら、どんどんシフトダウンしていく様は面白い。マフラーを換えていると、まるでマニュアル車のように、ブーンブーンとシフトダウンしていく。残念ながらブリッピング制御はついていない。

○先進豪華装備たち ACC(アダプティブクルーズコントロール)は40km/hからしか使えないが、じゅうぶん実用性があり、高速巡航が激しく楽である。オートハイビームもちょっとおマヌケで笑ってしまうこともあるが、この便利さに慣れると戻れない。

○ブレーキ性能 よくカックンブレーキだといわれるが、自分はそう感じたことはあまりない。これだけのパワーだが、十分なストッピングパワーがあり、コントロール性もいい。スポーツパッドに換えるとさらにイイ。



○燃費の良さ ハイオク仕様とはいえ、自分の使い方で14~15Km/L走ってくれることは非常に助かる。もちろん、乗り方で大きく変わる。全開で峠を走ると7~8km/Lくらいに悪化する。
※タイヤで結構燃費が変わる。以前履いていたPINSOだと純正コンチネンタルと比較して1km/L下がったのでグリップと燃費は反比例するようだ。
※FALKENは非常に燃費は良い。また15km台に復活した。

使用前
使用後


○デザイン・存在感 このワイルドかつグラマラスなデザインはいつ見ても飽きが来ない。フロントウインドウが立っているところ。フェンダーのふくらみやフロントノーズ、斜め後ろから見た後ろ姿もいい。エアロでさらに精悍になった。そして個人的には、ほどよく地味であるところもお気に入りだ。「なんか凄いの乗っているね」などと揶揄されることも少ない。わかる人だけわかればいいのだ。 

○足回り ノーマルのしっとりしなやかでガッチリした乗り味は素晴らしい。
現在のFLEXZにEDFC制御の足もお気に入りだ。そろそろFLEXZではない足にも興味が出てきた。

○ヤレが少ない!! あまりに乗っていて楽しいので気が付いたら過走行(汗)。しかし3万キロを超えたというのに、いわゆる「くたびれた感」「ヤレがきた感」がない。これって凄いことなんじゃないかと思う。スズキだから心配、と思っている人にも朗報である。(もちろん使い方にもよると思われる)

気になる点

△リアシートの居住性 自分専用車と割り切ってしまえば気にならないだろうが、家族や子どもを乗せる機会が多いと不満がある。

※レッグルームは最小限だ。


まず、今どきのコンパクトカーとしてはかなりリアシートのスペース、特にレッグルームが狭い。購入時からわかっていたが、子どもが小さいため大丈夫だろうと考えていた。フロントシートを蹴りまくられてわかった。今どきの子はミニバンに慣れているのだ。

外して分かったリアシートの真実・・・・


そして、これも走りとは直接関係がないのであえてどうとは言わないが、リアシートの座面の造りがかなりコストダウンされている。リアシートを外してわかったが、なんと発泡スチロールの上にウレタンが張ってある・・・・ここまで簡易なつくりのシートは見たことがない。当然コシもなく、ホールド感もなく、当たり前だが座り心地はよろしくない。子どもたちからも不評。スズキの割り切りがある意味すさまじい。



△無塗装樹脂の白ちゃけが止まらない。

 
わずか一年半だが、ケアを怠ると途端に白茶けてすすけて見える。「欧州車かっ!」とツッコミを入れたくもなる(笑)。樹脂ケア軽みカルは必須だ。



△ロードノイズをなんとかしたい。 実は車内はかなり静かである。しかしそれだけに唯一気になるのがロードノイズ。路面にもよるが、あと一段、ボリュームを下げるべく色々対策を施した。

△自動ブレーキの誤作動が多い 毎日なんらかの誤作動がありピピピピとアラームが鳴る。これだけならいいが、実際何にもないのに誤作動して急ブレーキがかかったことがあり、ヒヤッとした。こればかりは精度をあげてもらわないとかえって危ない。
もちろん、助けられたこともあるのであったほうがいい。

△燃料タンクが小さすぎる。 せめて40L,欲を言うなら50L欲しい。リッター15前後走るとはいえ、450kmくらいが航続距離だと、峠を走るときやロングツーリングで不安になる場面が結構あった。ガソリンスタンドの場所に敏感になった。

△リアサスのストロークが短い。 主に走りというより快適性方面での話。もう少しだけ懐深くストロークしてくれたらという場面が多々ある。しかし、この低価格車に多くを望みすぎなのも理解している。こればかりはEDFCでもどうしようもない。

ジャッキアップするとよくわかる。すぐにリアタイヤは地上を離れる。



△アフターパーツが多すぎる。 せっかくクルマを安く買ったのにお金がいくらあってもたりないじゃないか・・・・(笑)

まとめ

で、スイフトスポーツとの暮らしはどうなのか。
乗るたびに「やっぱりいいなぁ」と思える素晴らしい相棒。
早く乗りたい、どこか行きたい、と思えるクルマ。

とにかく買ってよかった。

どんな車にも満足があれば不満もある。その車を気に入っているからこそ、もっとこうなれば・・が出てくる。もちろんアフターパーツで良くなるものもあるが、どうしようもないものもある。長く乗り続けるために妥協できないところはどこかでクルマ選びも変わってくると思う。

今回、初めてスズキで新車を購入したが、スズキというメーカーが大好きになった。こんなに楽しい車を作ってくれたのだ。冒頭にも書いたが、クルマ好きにとって良いクルマとの出会いは毎日の生活のハリになる。

クルマは人生の相棒。後悔のないカーライフを!!

MetabonZ

自動車物書きユニット MetabonZ。
理系と文系の著者による「わかりやすさ」「読みやすさ」を目指したブログです。
豊富なクルマ遍歴と謎の知識量。日々頑張ってます。
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