EDFC ACTIVE PROと補強について

【敵か?味方か?】ボディ補強のススメ#3

<前書き>
前稿#2で、スポット溶接の概要からのスポット増しの話をし、その続きを本稿でと思ったが、キイロ号に取り入れた補強部品シリーズの時系列でいうと、ストラットタワーバーの導入が一番最初だったのを思い出した。

という訳で今回は、みんな大好きストラットタワーバーのことについて書き綴りたいと思う。(Metabon石)

ストラットタワーバー

その名の通り、ストラットタワー上部を左右繋ぐ補強材の事を言う。フロント用リヤ用とあるが、スイフトスポーツの場合はフロントのみになる。

では、なんでストラット上部を左右繋ぐと良いのか?

フロントエンジンの車はエンジンを搭載するため大きな空間が必要で、ストラット上部を固定する為にはフレームから半円筒状のタワーを設ける必要があり、剛性が確保しにくい。当然サスペンションからの入力により、たわむ(変形する)ためステアリングフィーリングに影響を及ぼす。

そこで、タワー上部をバーで繋ぐ(橋渡しにする)ことで、車体剛性を上げ、ステアリングフィーリングを向上させようというのがストラットタワーバーである。
(下図青い部分)

まぁ、一般論はこんな感じだ。
このことを踏まえて、、、

ZC33S、後付けタワーバーは必要か?

我らがスイフトスポーツ(ZC33S)にタワーバーは必要か?という検証をしてみる。ボンネットを開けたときに見える、ここ(下画像赤丸部)がストラットタワー、ストラットのアッパー側の固定位置だ。

近年のトレンドなのか、ストラットの位置がかなり後退しているように見えるが、実はAピラー含むフロントガラス下端が前進しているのだ。理由は様々(キャビンフォワードであったり、そもそものデザインのトレンドであったり)だが、車体構造上とても理に適っている面もある。

最も車体(モノコック)として強度‣剛性面で有利な部位の近くにストラットアッパーマウントを配置することができ、更にはバルクヘッド(エンジンルームと室内の隔壁に当たる部位)とストラットを結合することができ、結果、ボディの捻じれ剛性が上がる。スイフトの場合、上画像赤で示したようにストラットタワー後方とバルクヘッドを結合する部材がある。つまり既にタワーバーの様なものが備わっているということになる。

更に!!スイフトのストラットアッパーには通常ストラットを固定するスタッドボルト/ナットが存在しない、(下画像参照)

<通常、このスタッドボルトにて共締めにてタワーバーを固定するのだが、、、>

スイフトは簡素なブッシュで挟み込みセンターナットで固定固定する構造で、後付けタワーバーを「素直に」固定することができない。

と言うように、理屈上ではあまり必要がない(つけても効果がない)上に、付けようにもダイレクトに効く方法で物理的にタワーバーを装着する手立てがない。
注)個人的感想です

「それでも!!」(ガンダムUC バナージ・リンクス風に)

ボンネットを開けたとき目に飛び込んでくる、左右に渡るキラリ輝くゴツそうな物体はカッコイイ!!(と、やっぱり変化があったら嬉しいな)

ZC33Sのタワーバーを選ぶ

数社からZC33S用のタワーバーがリリースされている。もちろん、どれも加工無しのポン付けである。ただし着地位置については各社様々で、もはやタワーバーじゃないのでは?と言うものもある。

代表的な物をご紹介。

1)BLITZ
黒いバーが特徴。固定点はストラットタワー前方の車両フレーム部である。ファッション性は高いが、本来の機能としては少々華奢な印象。BRKTの固定方法にやや難あり?

<BLITZ>

2)OKUYAMA
白い塗装。最大の特徴はスチール製であり、剛性が高い(値段は上がるが同形状でアルミ製もあり)着地点はこちらもフレーム上部である。画像では見ずらいが車両右側は車体No.の打刻に被らないように刳り抜いてある。

<OKUYAMA>

3)CUSCO
カウルトップに沿うように曲げられたアルミ製のバーと、奇妙な形のスチール製BRKTが特徴。着地点はストラットタワー部となっている。

<CUSCO>

どいつもこいつもといった感じだが、拙者は クスコ製をチョイスした。

理由は色々あるが、ストラットタワー固定であるという点と、一見奇妙なBRKTが逆に気になったからだ。実は何か理由があるのでは?!という期待もあった。 まぁ、ぶっちゃけると昔からクスコ製には絶大な信頼を寄せていたというのもある。

まぁ、ね。ほら、なんとなく・・・

早速ネット通販で取り寄せ、取り付けてみる。事前情報では運転席側の奥のナット締め付けがやりずらいという。なるほど、手が入りずらいんだな。

まぁ、それでもちょっと工夫せればなんてことは無い。ポン、ポン、ポーン!とあっと言う間に取付完了だ。

既存の穴を使おうとすると、こういう形になってしまうのか、、、美しいとは言えない、しかも果たしてこれで剛性が確保できるのか?と疑問を抱からずおえないBRKT形状。

左側も雰囲気は同じである。ただし、

強度部材を樹脂製のリレーBOXの足の上から止めるって、、、。

という訳で、予想通りタワーバー単品ではさほど変化は感じられず、、、というのが街中での正直な感想である。

時は流れ、宮氏とメタボンズを結成し、筑波山での朝練を始める様になるころにはもうこの存在は忘れていたのである。ひょっとしたら峠やサーキットレベルでは効果はあるのかもしれないが、今それを確認する術はない(付けたり外したりの確認はできるだろって?、はいはい、じゃー今度やってみますよ)

一時期、外しちゃってもいいかな?と思うことがあった。

しかし。

これから始まる本当の補強シリーズにこの”CUSCO”が大きく関わってくるのである。

#4に続く
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