ZC33S パーツ

【パーツ】TM強化エンジンマウント リヤ【変革せよ!】

【食わず嫌い】(くわずぎらひ)
1)食べたこともなく、味もわからないのに嫌いだと決め込むこと。
2)ある物事の真価を理解しないで、わけもなく嫌うこと。
(goo辞書より)

先入観や見た目のイメージ、過去の経験に被せて、「あんなのダメだよ」とか「やめた方が良い」という事は、何も食べ物に限ったことではなく、我々の趣味である車に関してでも良くある話だ。

なんて偉そうに書いている自分もかつてはそうだった。

でもね。

「勇気を出して喰ってみたら、めっちゃ美味かった!」

っていう事もあるんだなこれが。

今回取り上げるのは、食わず嫌いパーツ上位に来るであろう、

強化エンジンロールストッパーとか、
強化エンジントルクダンパーとか、
強化エンジンピッチングストッパーとか、
強化エンジンマウント リヤ

と呼ばれたりするパーツである。
(因みにスズキ純正的部品名称は、「エンジンリヤトルクロッド」である)

で、このパーツ、美味いのか?不味いのか?

結論を先に言っちゃうと、、、

めっちゃ美味いっす!(Metabon石)

エンジンは吊られている

一般的なFF車と同様スイフトスポーツ(ZC33S)についても、エンジン With T/M(以下エンジン)はフロントオーバーハング上に位置し、車両右側はエンジン(ヘッド辺り)、車両左側はT/M上(バッテリーの下)の2か所でゴム製のクッションを介してフレームに固定(ラバーマウント)されている。(下画像赤丸部)

エンジンは、この左右2点のマウントで吊られている形になるので、振り子のように前後にユラユラ揺れる。この揺れ(ピッチング)を抑制するのがエンジンリヤトルクロッドというフライホイールハウジング下とロアメンバーを繋ぐ部品である。(下画像赤丸)

当然、エンジンは振動するので、その振動を車体に伝えないようにゴムブッシュを介している。その部品がこれ↓↓↓だ。

写真左側が車体側(ロアメンバー取付部)で、右側がエンジン側だ。エンジンの振動やピッチングは車体側(大きい方)のゴムブッシュで遮断しているが、画像を見て判るようにゴムボリュームが多く、更に肉抜きして動きやすくしている。

快適性と操作性・操縦性のトレードオフな関係

このゴム硬度や、肉抜き具合は快適性(=室内にエンジン振動を伝えない)を見ながら決めたであろう物に疑いは無いが、その為かエンジンの動き(ピッチング?ロール??)をかなり許容してしまっている様に思う。実際、動画などでも投稿されているのを拝見すると、クラッチを繋いだ瞬間や、加速時、シフトチェンジ、エンジンブレーキ時など、駆動系の動きに連動してはエンジンはかなり動いてしまっている。

このエンジンの動きが、発進時のギクシャク感であったり、シフトの入りずらさであったり、エキパイが揺れて干渉し音が出たり、というネガティブな部分を生み出している。まぁ、それでもこんなものかと思ってしまえばなんてことは無いのかもしれない。。。

自分の場合は、以前投稿した【情報】異音になやまされていたら【共有】に記載した通り、駆動系(T/M)からくると思われる異音に悩まされ、その原因が車両左エンジンマウントにあったこと、そのエンジンマウントを対策品とされる新品に交換したら、嫌な異音の解消はもちろん、思わぬ副産物としてシフトフィーリングの向上が得られたのである。

そうして、気が付いたら強化エンジンマウントへの興味が芽生えた。

過去の記憶・・・快適性皆無

今から20数年前、国内ラリー出場車両に乗る機会があった。フロアのカーペットはもちろん、アスファルトシートも剥がされ鉄板むき出しの室内、固いバケットシート、張り巡らされたロールケージ、そして強化エンジンマウント。エンジンの振動は音となりダイレクトに伝わる。ラリータイヤのパターンノイズも加わり、走行中は会話もままならない。当然、強化エンジンマウントと聞いて、あの時の記憶が蘇る。

本製品はダイレクトなトラクション性能を重視した製品の為、ノーマルと比べ走行時の音や振動などが増加する場合があります。

であったり、

本品は競技用部品です。一般公道でのご使用はお控え下さい。

と、強化エンジンマウントの商品説明には、備考として必ずこのような注釈文が掛かれている。

やはり競技用ととらえるべきで、通勤や普段使いを主としている自分が手を出すべきではないのは明白である。。。

エンジンリヤトルクロッドのみを強化品にする

という事で、エンジンを吊っているマウントはノーマルのままで、エンジンリヤトルクロッドだけ強化品にしようとかなと思う。まぁ、3つ全部買うとなると結構な出費になるというのも躊躇する原因でもあるのだが、やはりある程度快適性は確保しておきたい。

今現在販売されている強化品は、

1)クスコ 強化ピッチングストッパー (定価:20.000円)

ストッパーと言う名前は伊達じゃない! 純正では大きなゴムブッシュとなっている車体側(画像右)のゴム体積が純正に比べかなり小さい。実際これを取り付けてある車両に乗った事がある宮氏は、「物凄い音と振動でおススメしない」と言っていた。

2)レイルモータースポーツ  エンジンロールストッパー(定価:19.800円

ブッシュはゴムではなくウレタンを使用。2種類のウレタン硬度(ハードタイプ:硬度90、ミデアムタイプ:硬度70)の設定あり。ウレタンかぁ、、、元ジムニー乗りとしてはウレタンブッシュにあまり良い印象を持たないが、実際これのミデアムタイプを装着している方から話を聞くことができ、とても参考になった。

3)アールズ RRPエンジントルクダンパー(19.800円)

ロッドの構造(形状)が純正と同じで、色がアールズブルーなのが特徴。ゴム硬度は60.対純正比で、強化品の中では最も柔らかい(純正に近い)。略ほぼ、これに決めかけていたのだが、、、

4)TMスクエア 強化エンジンマウント リヤ(定価:24.500円)

こちらも純正同等構造・形状である。どこかにゴム硬度70と記述があった気がしたが、これを書いている現在、見当たらないことから硬度については不明だが、おそらくアールズのよりは肉抜きも少なく固いが、レイルのウレタンブッシュよりはしなやかなはずである。効果もある程度はっきり体感したいので、こちらを本命としてオーダーした。

早速、取り付けてみる

在庫があったようで、オーダーした翌々日に届いた。

早速中身を確認。丁寧に梱包されたトルクロッドと、取説・組説が同封されていた。

さて、取付(純正との交換)作業はそう難しくない。
作業時間も30分とある。だがしかし、なんとなく面倒だ。

何時もお世話になっているディーラーの工場長に聞いたら、快く引き受けて下さったので(しかもほぼアポなしの突発依頼)お任せすることにした。因みに、え?それでいいんですの??というかなり良心的な工賃であったが、具体的な金額は販社毎に異なると思うので公開は差し控える。

アンダーカバーを外すと、エンジントルクロッドが見える。フロントパイプを外して・・と組説にはあるが、ディーラーではエアラチェットにてフロントパイプを外すことなくサクサクっと交換。

お約束の新旧比較。上の汚れているのがが純正、下がTMスクエア製強化品。当然、固さの違いは軸の部分を手でグニグニすると明らかだ。純正はグニグニと動くが強化品は手でグニグニしたくらいじゃ動かない。

いつもいつも作業中工場に張り付き、写真撮影の際にはわざわざ手を止めてくださったりと、迷惑をお掛けして申し訳ない。

で、強化エンジントルクロッドはどうなのか?

作業が終わり、会計を済ませ早速乗り込みエンジンを掛ける。お?!そんなにかわらんじゃん?と思いつつ、見送りに挨拶しつつ1速に入れ、発進する。その瞬間。

やっちまったか?!?!

やはりかなりバイブレーションが伝わる。正直不快。
だが、その音と振動はクラッチを繋ぐ時だけで走り出しちゃえば気にならない。ちょっと音が大きくなったかな?程度だ。

感動に値する

音と振動は、最初こそ不快に思うほど気になったが、走っているうちに馴染んできたのか、あまり気にならなくなってきた。

そんなことより、である。

シフトフィーリングがかなり良くなった。引っ掛かりがなくスコスコ入る。
それと、アクセルワークに対するダイレクト感、クラッチミートの掴みやすさが気持ちいい!!同乗者には全くメリットが無い(寧ろ音と振動のデメリット)が、ドライバーは最高にメリットありである。とにかく気持ち良い。

クラッチミート時にエンジンの無駄な動きが減ったことにより、渋滞などの微速調整もギクシャクしない。

そして、なぜだろう?
さっき不快と思っていた音や振動すら心地よい(笑)
これはもう少し乗り込むとまだまだ改善されるのかもしれない。

まとめ

冒頭に書いてしまったが、敬遠してた不味そうなもの、実はものすごく美味しかった(でもちょっとピリ辛)というお話しでした。

どうです?おススメかと問われたら??
「一見の価値あり(おススメ)」である。

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やはり実際に体験してみないと判らないもんだと改めで思った。
部品代はちょっと痛かったが、得られたメリットが多く、またいろいろな事の予防にも効果ありと予想されるので、★★★☆☆(星3つ)。

MetabonZ

自動車物書きユニット MetabonZ。
理系と文系の著者による「わかりやすさ」「読みやすさ」を目指したブログです。
豊富なクルマ遍歴と謎の知識量。日々頑張ってます。
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