早いもので、新車で購入して二年を待たずにあと僅かで5万kmに到達。
これは自分史上二番目の過走行記録、因みに栄えあるNo.1はBG9 レガシィ ランカスターでありまして、なんと年間4万km(2年で8万km)。但しこれには理由がありまして、当時往復160kmの長距離通勤だったこと、冬の週末はスキーによく行っていたのが原因で、いうなれば移動の手段であった訳です。そう考えると、単に走るのが目的(週末のお山や首都高など)で過走行になっているスイフトスポーツって、やはり特殊なのかもしれませんね。まぁ通勤(往復50km)にも使ってますが。。。(Metabon石)
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リヤの次はフロント
先日、リヤサスをなんとかしたいシリーズ(下記リンク)でリヤサスの不満改善を実施したのは記憶に新しいと思う。
【リヤサスを】トーションビームストッパー【なんとかしたい#1】
【リヤサスを】バンプラバー【なんとかしたい#2】
実はあれでおしまいではない。
当然、なんとかならんかな~と思うのはリヤサスだけではなく、サスペンションシステムとしてフロントにもあるわけだ。
とりわけ、時々ちらっと書いてはいるがストリート向けとして低いばねレートと復筒式ダンパーを組み合わせたFLEX Zの素性もあるかもしれない(このことについては別途投稿予定)
が、その前に、走行距離による経年劣化なのか、そもそも構造としてそういう風に感じやすいネガな部分を持っているのかもしれない⇒これを打開する策はあるのか?!
と言うわっけで今回はフロントについてをお伝えする。
悩んでいた症状
かねてから、フロントのギャップを通過した後のポワンポワンする(フロントのピッチング)に悩まされていた。ノーマルでは出ない現象だ。
一方でEDFC active PROの理解も深まり、フロントの減衰力制御の設定の肝にもなっていた。一時期までは、その悩みも忘れるくらい(気にならない程度に)上手く抑え込めていたのかもしれない。だが、やはり時々フワフワした感触が出た際には即席でフロントの基準段数を数段下げるなどして対処していた。
これやどーにもならんな、、、そう思ったのは初夏の頃か。
首都高を走るようになった頃になる。
今まで通り、フロントの設定を変える。高速モードなるメモリーまで生まれる始末。だが、あることに気付く。
減衰力は関係ない?!
試しにMAX固い(固定)、MAX柔らかい(固定)で走ってみる。
どちらも継ぎ目通過時の一発目の衝撃の違いはある(ダンパーの賞味期限切れではない)が、その後のポワンポワンは変わらない事に気付く。
ダンパーじゃないのか・・・
タイヤのエア圧。これもポワンポワンに加担していたようだ。10kPa単位で調整していった結果、使用タイヤサイズ標準+10kPaがベストの様だ。
他には?
センターロック式ストラットの宿命、ゴムの塊ストラットサポートが経たって来たか?
よく考えりゃもう5万kmだ。それも考えられるか。。
ポワンポワンの主な原因はここにありそうだ。
対策部品は既にリリースされている
純正のアッパーマウント(ストラットサポート)は、乗り心地を重視したゴム硬度であり、走行距離を重ねると劣化やたわみが多くなり、ダンパー本来の性能を発揮できなくなる。また、構造上、コーナリング時の入力によりゴムの撓みによりキャンバー変化を引き起こす。
それらのネガティブ要素を改善する為、アフターパーツとして強化アッパーマウント(ストラットサポート)がリリースされている。
★アールズ 強化フロントアッパーマウントラバーブッシュ
RRP 強化フロントアッパーマウントラバーブッシュはテストを繰り返し、乗り心地とレスポンスを両立できるベストバランスを目指しました。さらには、形状にも拘り、純正ではくびれているマウント首下を太くする事で、いたずらにゴム硬度を上げる事無く剛性を確保しました。キャンバーの変化を最小限に留めることが出来るので、コーナリング中でも思ったラインをトレース出来るようになるだけで無く、ステアリングレスポンスも向上いたしますのでキビキビとしたステアリングフィールを生み出します。 また、強化ゴムは吸音性にも優れていますので、タイヤのノイズやサスペンションからのノイズを純正同様に吸収致します。純正のアッパーマウントでは物足りない方や、スポーツ走行もしたいけど静音性は損ないたくない方、ピロアッパーマウントまでは要らないけれど剛性感を向上させたい方や、リフレッシュの交換にも、最適です。
(メーカーHPより転載)
リフレッシュとしての交換も良さそう。
不要な動きを完全に止める為にゴムブッシュからピロボール化するものもあり(数社からリリースされてますが今回は例として↓↓のみ)
★クスコ センターロックピロアッパーマウント
・フロントサスペンション取付剛性不足の改善に非常に効果的!
・旋回性能の限界を高め、高速走行時やブレーキング時も安定。
・スポーツ走行には必須のアイテム!
・高性能・高精度・高耐久性のミネベア(NMB)製ピロボールを採用。
※ピロボールアッパーマウントのため異音などが純正と比較した場合、発生しやすくなる場合があります。
※本製品はキャンバー調整機構はありません。
(メーカーHPより転載)
実は、アールズの強化アッパーマウント付車を試乗させていただいたことがあるが、特にゴツゴツした印象は感じなかった。
逆にピロボールマウントに変更された車両は路面の細かい凹凸を拾う印象。
という事で、強化アッパーマウントに交換だ!!
※ついでにバンプラバーも変更だ!(小声)
と言いたいところだが、
これを交換するには車両からストラットを取り外し、更にスプリングコンプレッサーを使用してストラットをバラす必要がある。
作業自体に問題はないのだが、
ついこの前アライメント調整したばかりでストラット取り外すのには躊躇する。
もっと手軽に・・・
という事で思いついたのが・・・
マジカルサスペンションリング
cartist マジカルサスペンションリング
ネットを叩くとこれのレビューは沢山ヒットする。
センターロック式サスペンションの軽自動車や、スイフトでも取り付けている方が結構いる。
実を言うと自分も前から気になってはいた。
という訳で非常に今さら感たっぷりなネタになるが、部品も比較的安いし早速入手した。
物は試し!っていうやつだ。
マジカル・・・リングって何ぞ?!
軽く紹介。
センターロック式のアッパーマウント部は、車体をばねの上のストラットサポートと、ストラットストッパーと言う部品で挟み込み固定する。
(下図は、リバウンド時の図でストラットストッパーによって車体からストラットが抜け落ちないようになっているが、ストラットサポートと車体の間に隙間がある(実際はこんなに隙間は無いです))
この隙間を埋め遊びを減らすのが下図の赤い部分、マジカルサスペンションリングになる。
で、自分のキイロ号を確認すると、TEINのFLEX Zを組んだ足では殆ど隙間は無いようで、このマジカルサスペンションリングを追加することによってより強くアッパーマウントが車体を挟む効果に繋がる=仮に経たってたのであれば経たり分を解消する算段である。
取付は簡単(な筈である)
センターナットを外し、ストラットストッパーを外す。
外したストラットストッパーと車体(ストラットタワー)の間にマジカルサスペンションリングを挟み、元に戻すだけ・・・なのだが、EDFCを搭載しているのでモーターユニットを外さなければならない。
これが意外と手間だ。
モーターさえ外してしまえば、あとはセンターナット(二面幅17)をメガネで緩め外すと、ストラットストッパーが外れる。
ZC33Sの場合、付属の平ワッシャーをナットの上に乗せるように取り付ける。
マジカルサスペンションリングにシリコーングリスを塗り、ストラットタワーの上に置く。
ストラットストッパーの下面にもシリコーングリスを塗り、外したナットで締め付ける。(シリコーングリスがはみ出るので拭きとる)
この後、ラバーキャップを元に戻し、EDFCのモーターを最組み付けして完了である。(反対側も同じ)
気になる効果は如何に?!
取付後、いつもの様に一般道、路面状態が良くない郊外の道(いつものテストコース)、高速道路、ワインディングを試してみた。
1)ファーストインプレッション
自宅車庫から車を出す時、数センチの段差を降りながら右に曲がる際に、いつもならフロントからゴムブッシュが動いて拗れた様な”グギギッ”と音を発するのだが、それがしない。と同時にステアリングが少し重くなった様な気がする(気がするだけかも?)
しかしこの時点で期待MAXである。
2)一般道
車を出して街中へと車を走らせるが、特に振動や音(ロードノイズ)が大きくなったようなネガな部分は感じられず、極めて普通である。
走りながら(周囲の安全を確認して)拳一個分位ステアリングを左右に揺すってみると、明らかに初期反応がシャープになった。
3)路面状態が良くない道
ここでも特に振動レベルは変わりないが、フロントのピッチングの動きが細かく、揺れの収まりが早くなった。良い感じだ!
不要な揺れが減ったので減衰力をもう少し落としても良いかもしれない。
4)高速道路
一番の効果を確認できたのは高速道路での高速域だ。
以前から気になっていたフロントのポワンポワンする現象を抑える為に、EDFCにて減衰力を高めに設定していたが、その必要がない。
段差や、うねり路での不快なフワフワした感じが消え、特に高架路の継ぎ目通過時の音が”タタンッ”と気持ちよい。
5)総評
今までダンパーの減衰力をいくら調整しても、アッパーマウントの隙間やゴムの緩さによって揺れが発生していたのが、ダンパーがきちんと機能するようになったのが良くわかる。副産物として、ステアフィーリングが少しシャープになったような感覚も得られた。
まとめ
走行距離による劣化(へたり)なのか、そもそも元からそういうものだったのか、兎に角イマイチと感じていた悩みが高々数千円の強化シリコン製の数ミリのスペーサーで解消してしまった。
耐久性については長期間使用してみないと判らないが、これでしばらくは楽しませてもらえそうだ。
懸念点もある。
ダンパーの素性がダイレクトにハッキリするようになったこと。
やっぱりもうちょっとハイクオリティな、単筒式ダンパーや高性能バルブシステムが搭載された物へのアップグレード欲が強くなるかもしれない。
自動車物書きユニット MetabonZ。
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