「”本物”が放つ輝き」
今や全世界的に高い人気を集めるSUVカテゴリーにあって、
このジムニーが醸し出す存在感は別格だ。
小さなボディにラダーフレームと、
副変速機付きの縦置きパワートレインを搭載。
オーナーが望みさえすれば、
ジムニーは非日常の扉を開いてくれる。
<モーターファン別冊ニューモデル速報 第574より抜粋>
近年なにやらSUVってーのが持て囃されていますが、
ワタクシ思うのであります。
要は普通のモノコック車体の乗用車の車高をちょっとだけ上げて、
ちょっとだけ大きいタイヤをしつらえ、
都会的かつスタイリッシュなデザインに豪華な内装。
モテたい男がこぞって飛びつく様に、
え?これどんな格好して乗るの?
スーツ?スーツ着て乗るの?
は?ここ通れない??
泥で車汚れるの嫌??
砂利道禁止??
ええ?そもそもこれ4駆じゃないの??
ところで、SUVって、何??
と。
かつての4駆ブームは様々なクロカン車を生みましたが、
やがてブームは去り、淘汰され、
今や国内で生き残っているのはランクル一族とジムニーのみ。
共通するのはどちらもラダーフレームを備える本格的な構造であること。
ジムニーにおいては、前後リジットアクスルを死守。
それ故、昔から乗り心地が悪いとか燃費が悪いとか、とにかく乗り心地が悪いとか言われていますが、この様な市場の声と、昔じゃ考えられないような新たに施行される法規要件に適合させつつ、このスタイルを維持するのは相当苦労があったのは容易に想像できます。そんな現行型は2018年に先代のJB23発売から20年の時を経てフルモデルチェンジされ登場しました。
というわけで現行型はどうなのか?をお送りしたいと思います。
ということで、かなり前振りが長くなってしまいましたが、この度現在の愛車であるスイフトスポーツZC33Sの方がちょっとした保証修理を行う必要があり、平日の間の数日、ディーラ試乗車であるJB64をお借りしえする機会を得られたので、ユーザー目線でレポートしたいと思います!
※完全なワタクシの趣味趣向の記事です。スイスポは登場しません。
Contents
ワタクシの琴線に触れる車
ワタクシMetabon石にとって、20代、30代、40代と、時期と型式はそれぞれちがうけど、なんと、三台もジムニーを所有していた過去があります。
それぞれね、買っては手放し、また買っては手放しを繰り返している訳ですが、またまた乗りたくなってきた今日この頃であります。まぁそれだけ、印象に強く残り、ワタクシのライフスタイルにも強烈なインパクトを残す憎いやつなんですよ。
そんなジムニーですが、2018年7月にフルモデルチェンジされた現行型(JB64/74)。
既に発売から2年半以上が経過しているのにも関わらず、膨大なバックオーダーを抱えており、新車を買おうにも納期は1年とも言われています。
一方で、市場にはちらほら現行型をよく見るようになってきました。
まだね真新しい感じが殆どですが、中にはもう既にカスタムしてる車輌も散見されるようになってきましたね。
また、車系SNSでは投稿者も増え、情報は溢れかえっており、youtubeでも新型ジムニーに関するチャンネルは多数存在します。
「ジムニーで始まりジムニーで終わる」なんて言葉もあるとおり、初心者からベテランまで、そんな奥が深い乗り物です。
その使用用途もCCVとしてクロカンやロック・廃道アタックをする方もいれば、単にドレスアップやカスタムを楽しむ人。
キャンプや渓流釣りのお伴や、この車でないと行けない僻地へ赴く仕事の道具として使ってる方等、様々であります。
ワタクシはというと、1台目のJA11の3型と2台目のJB23の6型はですね、どちらも正当なクロカン車として作りあげ、クロカン遊びをしていました。まぁ当時はね、結構走れるところがあったんですよ、厳密にはダメだったんでしょうけど(笑)
あと、旅もよくしました。
北海道一周とか、よくやったなぁと思いますよ、ほんと若いって素晴らしい。3台目のJB23の10型、ランドベンチャーという豪華なやつでしたけど、もうこれは雰囲気を楽しむ為のものとして、クロカン仕様にしつつもオンロードメインでした。まぁこの辺りがいろいろ矛盾を生み、そしてとある外的要因でスイスポに乗り換えたきっかけになったわけです。
そんなわけで、ジムニーが好きなんだなと言うのがご理解いただけたら幸いです(笑)
先へ進もう。
おさらい。ジムニーってこんな車
皆さんジムニーって、その生い立ち(歴史)含めてどのくらい知ってます?
初代ジムニーから順を追って説明すると、どえらいことになってしまうので省きますが、1970年から続く歴史(50年!!)の中で守られいるものがあります。
1)ラダーフレーム構造
梯子型フレームと言われるシャシーを備える構造=強靭で頑丈
2)前後リジットアクスル
左右の車輪が一本の車軸で一体となっている=強靭で頑丈
3)軽量・コンパクトボディ
軽規格ボディを採用(普通車登録となるJB74もボディは軽と一緒です)
当然、全車副変則機付きのパートタイム4WD(一時期J2という2WDの設定もありましたが)で、エンジンは縦置きというのも変わってませんね。
軽規格、いわゆる軽自動車ではありますが、その構造はアルトとかワゴンRとは全く異なります。
それは乗り味も違うという事を意味しています。
もう一つ。
ジムニーには普通車仕様(ジムニー シエラ)も存在します。
こちらは、搭載されるエンジンが4気筒、1500cc(JB74の場合)となり、トレッドも広がり、オーバーフェンダーが追加され、タイヤサイズも異なります。歴代主に海外向けがメインだったのですが、この新型ではシエラもかなり人気だそうです。
やっと本題
某日、キイロ号の修理作業入庫の為、ディーラーに向かいます。
前々から次こそはJB64を買うと公言し、買うにはどんなものか数日乗っみたかったワタクシは、約一週間スイスポを預ける代わりに、試乗車であるJB64を借りることになっておったのです。
今回お借りできたのは、JB64のグレードはXC、4ATで、ボディカラーはジャングルグリーンという渋い緑。自衛隊車両のような(笑)
そしてなんと新車卸したて、odoはたったの10kmというピッカピカの車両でした。
なんか新車を買って納車された気分をもう味わってしまった感じに、少しソワソワします。
早速、ワクワクしながら乗って帰りますが、道中、あれ?んん???こんなんだったっけ???という疑問がよぎります。
やはりスイスポに慣れた身体には違和感しかないのか??
試乗車あるある?
以前所有していたJB23よりは明らかに良くなっているはずなのに、終始ユラユラ揺れる動き、速度を上げるとステアリングに伝わる感じも落ち着きがなくなり、揺れるは怖いわで、「ひょっとして、もうこういう車は卒業?」もよぎりましたが、原因はタイヤのエア圧でした。
標準の175/80R16のエア圧は、前160kpa、後180kpaなのですが、なんと前後とも280kpaも入ってました・・・。
当然、適正エア圧に調整したら不快な揺れも収まり、ステアリングもどっしりとした手応えに。
ディーラー試乗車、エア圧適正かどうか?なんてちょっと試乗するときに確かめるのはほぼ無理かと思いますが、エア圧は乗り味を左右するとても大事な要素なので、注意が必要です。当然、普段乗る自分の車もですよ。
【歴代ジムニスト目線】この進化は感動に値する
快適性が格段に向上してる!
先代JB23を所有し、乗った事ある人なら誰しもそう感じるはずです。
先ず、シャシ―剛性が大幅に上がったのが体感できます。
上に載ってるボディも同様。
モノコックではないにしろ、上物とされるボディの剛性も重要なんだなぁという事が判ります。(補強いっぱい入れてるキイロ号より遥かに剛性ありそうです、当然ガタピシ言わないし)
それらもひっくるめて乗り心地が雲泥の差!
ほんとこれがジムニー??と思えるほど。
例えば、ドカン!とくる段差。スイスポでもいつも嫌だなというポイントが通勤途中にあるんですが、ドルゥン!と優しくいなしてくれる感じなわけですよ。まるで大型四駆じゃないか!って感じは感動に値しますよ。
これはオンロードでのコーナリング性の向上にもつながってますね。
しっかりとした手応えは気づけば結構なハイペースで郊外の道を駆け抜けてた、なんてことになっちゃいます。
結構なスピードといえば、4ATの出来も良い。
買うなら5MTだと思ってましたが、数日間乗ってみてATでも良いかな?と悩んでおります。
4ATでもなかなか元気よく走りますよ。
次は5MTを乗って見たいところであります。
但し、ATで唯一難点が。
ATデバイスのBOXが結構大きく、普通の運転姿勢ではさして気にならないのですが、少しリラックスした運転姿勢の時に丁度膝の横と、このBOXの上の頂点の角が当たって痛い(笑)
この辺の処理は先代JB23の5型以降のゲート式のデバイスとそのカバーの方が洗練されていて良かったと思います。
室内は先代に比べ広く、開放的になりました。
見切りも良くなっている。とくにサイドウィンドウ。
全体的な見た目(デザイン)は先祖返りなどと言われているけど、
これって機能美突き詰めた結果こうなるってことなんでしょうかね?!
JB64といえば、電子制御によるオフロード走破性の向上も気になります。
ブレーキLSDもその一つで、是非試したい!
場所は何処とは言えませんが、試乗車で行っちゃいました。。。
ノーマル車両にHTタイヤ、しかも単独、そして借り物車両では無理はできませんが、ちょっとしたモーグル地形でわざと対角線スタック。そのままアクセルを踏みエンジン回転を上げるとブザー音と共にグッ(これが少し唐突)その後ググググっと接地してる方のタイヤに駆動が伝わり、いとも簡単に脱出できました。
当然街中で快適と感じた乗り心地の良さはオフロードにも活きます。
20年待った甲斐があった・・・。
まぁジムニストと呼ばれる方は、当然とっくにこんなレポートはもう腐るほど見ており、実際に試乗もされているでしょうから、ちょっと違った目線、そう、ジムニーなんて乗ったことないよ!って言う人目線を想像でレポートしたいと思います。
【ジムニー欲しいと考えてる方へ】覚悟も要ります
「お陰様で、大変ご好評でございまして、沢山のご注文を頂いてまして、、、」
担当営業に納期を聞くと必ずこう返ってくるのは2年前と同じでした。ネットでも納期情報を伝えてるサイトがありますが、地域や販社によって割り振られてる台数も違うので多少バラつきがあるようです。
ワタクシがお世話になっている埼玉のとあるディーラーではやはりまだ1年弱かかるとの回答でした。
覚悟その1)
買おうと思ってもすぐに納車されない
しかし、あのルックス、武骨なデザイン!
本物志向!
色もカワイイ!!
都会の喧騒にも良く似合うじゃん!
ハイ、確かにそうかもしれませんね。
しかし多少我慢を強いられることもあります。
狭いです。
二人乗りと割り切ったほうが良いです。
2ドアなので手荷物を置くのがめんどいです。
荷物?
積めませんよ??
※リヤシートの背もたれを倒せば問題なし
覚悟その2)
車内はすこし狭く不便
そして、今まで普通の車、特にスイスポの様なキレッキレな車しか乗った事ない方が一番気になる点。
覚悟その3)
遅い・ダルイ・燃費良くない
現行のR06Aという660cc3気筒インタークーラー付きターボをもってしても、やはり加速はシンドイと思うときがあります。
そもそも論になっちゃいますし、何と比べるか?という観点、人それぞれの感じ方は異なりますが、やはり重さは感じるでしょう。
当然、コーナリング性能も違います。
独特な、と言った方が良いでしょうか?
重心の高さであったり、足の柔らかさであったりと不利な要素が多いからです。
当然、燃費も今どきの軽自動車としては決して良くは無いです。
朝夕渋滞多い片道30kmほどの通勤でだいたい11km/L。
これはカタログ値の市街地モード(WLTC-L)と一致します。
※5MTであれば14km/Lってところでしょうか?
まぁ、これでも先代JB23よりはかなり良くなっているのですよ。
是非試乗車で体感して欲しい!
上でいろいろ書きましたが、ジムニーとはこういうもんだ、そう思えば(思えれば)こんな楽しい乗り物は無いと思います!
独特な乗り味も3日もあれば慣れます(笑)
そしてこのJB64、最新型ということもあって歴代最高であると断言します。なんといっても普通の車として吊るしで乗ってられる。
当然、お借りしている期間、通勤で数日使いましたが全く問題なかったです。というより楽しくてしょうがなかった!
是非ね、興味があったら試乗してみてください。
短い試乗ではイマイチと感じたり、段使いとして疑問があれば数日間借りるのもありだと思います(店舗に相談要ですが)
スイスポとは違う、新しい世界が見えてくると思いますよ!
クロカンやるだけがジムニーではないです。
ジムニーがある生活、ライフスタイルをね、楽しみたいですよね~
当然、車をカスタムする楽しさもありますが、
ワタクシ的にはほんと最小限に留めて、それに固執しないようにしたいです.(ジムニーのオフ会とか・・・泥沼の入り口)
最後に、
買うならどのグレードの何色か?
これが非常に悩ましい。
まぁとはいっても、極力シンプルに行きたいので、グレードは真ん中のXLで、セーフティサポート無し。
色は、、、今回借りたジャングルグリーンも良いけど、
ソリッドの白なんかも良いな。
という訳で、今さらJB64についての試乗レポートでした。(Metabon石)
自動車物書きユニット MetabonZ。
理系と文系の著者による「わかりやすさ」「読みやすさ」を目指したブログです。
豊富なクルマ遍歴と謎の知識量。日々頑張ってます。
Metabon宮 Metabon石