EDFC ACTIVE PROと補強について

【神デバイス】EDFCのススメ#8

<前書き>
この連載も早#8となりました。終わりが近づいてきていますよ。さて、前稿#7ではEDFCの要であるセッティングのパラメータを表すセッティングシートのパターンについてお伝えしました。

何だか沢山やることがありそうですが、①加減速G制御、②旋回G制御、③速度制御の3つを決めるだけなんです。最初は無理してメモリ1とメモリ2両方作る必要はありません。

というわけで、本題。

セッティングを開始する前に

これからセッティングをはじめるにあたって、経験上感じたことをここでご参考までに書き綴っていきます。まぁ、参考までに。。。

新品のFLEX Zは、2000kmから

新品のサスペンションを組んだばかりの頃、ことFLEX Zはどこか動きに「渋さ」や「固さ」を感じていました。そんな状態でいくらダンパーの調整をしても1クリックの違いもはっきり判らず、訳わからなくなるだけです。だいたい2000kmくらい走ったころ、あれ?そういやアタリがソフトになった?とか、足が良く動くようになったことを感じると思います。そう感じるまではEDFCの操作の練習だとか、仕組みや動きの理解度を上げることに特化し、そういう期間と割り切りましょう。

プリセットデータは使い物にならない

EDFCのコントローラには工場出荷時に予めセッティングデータがプリセットされています。試しに走ってみてみれば判ります、最初は各G制御によってダンパーの段数が動くことに感動するでしょう。ブレーキング時にノーズダイブが減ったことに関心するはずです。でもスイフトスポーツ(ZC33S)には全くと言っていいほどマッチしません。なのでお試しが済んだら時間の無駄なのでプリセットデータを使うのはやめるのをお勧めします。

FLEX Zの実力を知る

EDFC ACTIVE PROをもってしても、ハード(FLEX Z)の実力を超える事はできません。
例えば、マニュアルモードで段数を全部”0”にした時。

これがFLEX Zの減衰力が一番固い状態です。
これよりも固い乗り味は出せません。

逆に、段数を全部”64”にした時。

これがFLEX Zの減衰力が一番柔らかい状態になります。
これよりもソフトな乗り味にはできません。

この一番固い状態から一番柔らかい状態を64段階で区切り、制御するのがEDFCの仕事になります。ですが安心してください。乗り心地はハッキリ言ってこれ以上良くもならないし、スポーティな感じにもなりませんが、加減速G制御や旋回G制御、速度制御によって『気持ちよく走れる』ようになります、いやご自身でするのです。それがEDFCと、これから作るセッティングなのです。

セッティングを作る(にあたって)

まず最初に心構えから。

・気の遠くなる作業が待っているかもしれません。
・途中で心が折れるかもしれません。
・何をやっても改善の糸か掴めないと感じるかもしれません。
・気が付いたら1カ月経っていた、となるかもしれません。
・他人を乗せられなくなってしまった、となるかもしれません。
・こんなんでいいやと妥協してしまうかもしれません。

ですが、
・あきらめずコツコツと
・時には大胆に打って出る
・押してだめなら引いてみる

そして、
・データ収集を怠らない(メモを取る)
・体感も大事だが体感だけに頼らない
・数字は嘘つかない
・見える化は有効
・机上と現実を何度も繰り返す
・閃いたら即試す

最後に、
・答え(正解)は一つじゃ無い
・答えに行き着く方法に決まりはない
・常に進化し続けなければならない

次にセッティングの基礎から、ということで方策をいくつか紹介します。
尚、これはあくまでMetabon石が考えるやり方であり、これがベストなのかわかりませんし、他にもっと効率よく、良い結果が得られる方策があるかもしれないということをご了承ください。

テインが公開しているZC32S用のセッティングデータを入力する

コントロールユニットへセッティングデータを書き込む練習にはもってこいです。操作方法は取説見ながら初めてでも30分くらいで出来ます。

入力が上手くいったら、しばらくそれで走り回ってみましょう。これでいいや!と思えたらラッキーです。違和感を感じる、又は納得できないという方、いくらテインが公開しているZC32S用とは言っても、そんなうまい話があるわけないです。

テイン公開のZC32S用を改良する?

答えは、NOです。
確かにこのデータをベースとして改良していけば、良いものが出来そうな気がします。しかしこのデータも汎用データにすぎません。あくまでプリセットデータよりはマシというレベルです。改良するには、何が良くないのか?から始めなければならず、余計混乱を招くことになるからです。※個人的な見解です

基準段数が前後とも64というのが気になります。
速度制御のパラメータも64からの引き算な上、絶対値化して見える化(グラフ化)すると、どんな様子か、速度に対してどう変化するかが見えてきますが、果たしてそれが適しているのか疑問です。

参考にできる点もあります。
は加減速Gの値の振り分け方、旋回G制御のGの値の振り分け方、それとパラメータの雰囲気(笑)。

じゃーどーすんだよ?
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