Metabon宮です。
ＺＣ３３Ｓスイフトスポーツをこれから導入しよう、と考えている方にとって、トランスミッションの選択は悩ましい問題かもしれない。
以前、スイフトスポーツの6ATってどうなの？という動画を相方の石氏に勧められてアップしたところ、これが予想外に反響があり、みんなスイスポの６ＡＴに興味があるということがわかった。
しかし考えてみると、この６ＡＴというトランスミッション、周囲を見渡してもマツダくらいしか採用していない。ほとんどがＣＶＴというのが現実だ。
で、この６ＡＴについて調べたことや、これまで乗って感じたことを振り返りたい。
Contents
どんなＡＴ？
アイシンAW製 ６ＡＴ（AWF6F25）トルク容量250Nm ※アイシンAW HPより
ZC33Sスイフトスポーツに採用されたのは従来のＣＶＴではなく、トルクコンバータ式の６ＡＴ。日本での燃費よりも（燃費はＣＶＴの方が有利）世界戦略でライバルたちに動力性能・走りで負けないために採用されたという。
ＡＩＳＩＮ ＡＷはトヨタ自動車系列のトランスミッションメーカーだが、ＭＩＮＩ（BMW）やオペルなど欧州車にも多数採用されている実績がある。
スズキではすでにエスクードで採用されていたが、ファイナルレシオをローギヤード化。変速制御もスポーツ走行を重視した設定。アクセルオフした際のシフトアップを抑制し、旋回時に適正なギアが維持される制御を採用している。ヨーレートや横Ｇとの関連制御は行っていないが、登坂判定を行っており、一定以上の勾配になると、よりローギヤが選択される制御となる。※MOTOR FANより
左がＭＴ、右がＡＴの変速比。
１～４速までＡＴの方が加速重視。５、６速はクルージングのためハイギヤードの設定。
ファイナルレシオはATの方が高いが、あくまで走り重視のATであることがわかる。
乗ってどうなのか
○イイところ
・アクセルレスポンスが抜群。
いわゆるトルコンのスリップが少なく、トルク増幅効果と相まって、グイグイ前に出る。
・変速レスポンスが速い。
マニュアル操作でのシフトダウンが電光石火。瞬時にギアチェンジできる。
・燃費が良い。
軽量ボディにトルクフルなエンジンというのもあるが、変速プログラムが優秀で、Ｄレンジに入れておけばトルクの厚いところを選択して走ってくれるので燃費がイイ。
居住地区や交通状況で左右されるが、ＭＴとあまり変わらない。
・エンジンのキャラクターに合っている。
エンジンのトルクフルさとマッチしていて、ＡＴだからモタツクとかＡＴだからつまらないということがない。また、のんびり走るときはギア比が高い分ゆったり感がある。
△もうちょっとなところ
・シフトダウン時に高回転を受け付けない。
機械保護のために一定の回転数を超えるとシフトダウンを受け付けない。ピピッとアラームが鳴って拒まれる。ここぞ、というときにシフトチェンジできないもどかしさはある。
贅沢だけど、ブリッピング制御（エンジンを吹かして回転数を合わせる）制御があれば最高。
・４０～５０km/hでギクシャクする。
市街地で流れが遅い道などでよくなるが、３速と４速の許容範囲がちょうどそのあたりでギアの選択をクルマが迷っている？ような時がある。トルクがあるので４速でいけばいいのにと感じる場面が多々ある。
・アクセル操作でスナッチが起こる
トルクコンバータ制御がタイトで回転ロスが少ない分、ラフなアクセルのオン・オフ操作で、ほんの少しだが、ミッション、エンジンマウントを揺らしてしまう。ＡＴなのにスポーティという言い方もできるが。
・ミャーというトルコンノイズが聴こえる。
これも注意していれば、というくらいだが、加速時にエンジンの音に交じって、ミャーという音が聞こえる。軽量コンパクトなＡＴゆえ、音までは、というところだろうか。経過をみていきたい。
・ATそのものではないが、パドルシフト以外で操作ができると良い。
ステアリングと共回りするパドルでは、コーナーでシフト操作ができないことがままある。マツダのようにフロアシフトでも変速操作ができれば文句がないのだが。
自信をもっておすすめできるＡＴ
スイフトスポーツを買おうと迷っている方でＡＴはいろんなことをあきらめなくてはならない、などと考えているなら、間違いである。
このＡＴ。我慢するどころか、場合によってはＭＴをしのぐ速さをみせることもある。
パワーを路面に伝えるロスが少ない、本当によくできたＡＴである。
若干のウィークポイントがないわけでもないが、ＡＴならではのイージードライブ性能が備わっていることを考えれば何の問題もない。
ダラダラとＡＴとスイスポについてつぶやく動画もよかったら見てほしい。
Metabon宮
自動車物書きユニット MetabonZ。
理系と文系の著者による「わかりやすさ」「読みやすさ」を目指したブログです。
豊富なクルマ遍歴と謎の知識量。日々頑張ってます。
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