ZC33S コラム

【シリーズ】素朴な疑問#4(インタークーラーの話)【全力回答】

新シリーズ、ちょっとした素朴な疑問に我々MetabonZが全力回答するコーナー!!

第回4目は、前回が「エアコン」の話題でした。エアコンと言えばクーラー、クーラーと言えば「インタークーラー」!!(やや強引)
ということでターボ車に乗る我々なら、ぜひ知っておきたいという話を少々。
皆さんはインタークーラーって知ってました?

だってターボだもの

宮「石さーん。クーラーつながりで教えてほしいのだけど、インタークーラーって社外品の方がええのん?」

石「お答えしよう!!(今日はチコちゃん風には聞いてこないのか・・・)

石「と、その前に、宮さん、ターボの仕組みって知っとるよね?」

宮「し、知っとるに決まっとるばい!!(背中に汗をかく)」

石「じゃあ簡単におさらいね。」

※画像はcobbyより転載

宮「エンジンの排気でタービンを回して、反対側の羽根で強制的に空気をシリンダーに送るんだよね?で、その分パワーが出るヤツ。」

石「その通り!で、その強制的に空気を送る時に何が起こると思う?」

宮「うーん、なんだろ・・・・」

石「空気を送るには圧力が必要だよね?排気の力でコンプレッサーを回し、空気に圧力をかけて押し込むわけだ。するとどうなる?」

宮「無理やり空気を押し込むと、分子同士がくっついて体積が減る(圧縮される)・・・熱を持って膨張する?かな。」

石「正解!!で、その熱くなった空気をシリンダーに送ると?」

宮「よろしくないね。熱を持った空気は膨張して体積当たりの酸素が少なくなる。」

石「そう。酸素が少ない空気がシリンダーに押し込まれてもパワーは出ないんだ。それだけでなく、吸気温度が高くなるとガソリンエンジンでは点火前に燃焼が始まってしまうプレイグニッションが発生する可能性があるのよ。異常燃焼ね。それが発生すると最悪エンジンを破損することにつながるわけ。」

宮「マジか!!だから吸気温度を低くしたいってみんな言うのね。で、インタークーラーの役割は??」

インタークーラーの役割


石「図を見てちょうだい。「エアー入り口」から吸気がコンプレッサーで押し込まれるよね。そして、その空気がエンジンのシリンダーに入っていく道の中間にインタークーラーがあるでしょ?」

宮「わかった!圧縮された空気を途中で冷やすのね!!」

石「正解。冷やして吸気温度を下げ、酸素密度の濃い空気にして送り込むのよ。」

宮「勉強になったばい。恥ずかしながら今までそこを考えたことないばい。」

石「意識するのは大事よ。で、社外品に変えるべきかどうか?って話だよね。」

宮「そーそー。トラストやらHKSやらZC33S用インタークーラーキットが出てるよね。あれ、サーキットとか走る人向けなの?」

石「では、解説しよう!!」

キモは空気に触れる面積の違い

石「インタークーラーにも2種類あって、水冷式と空冷式。違いは分かるよね。ここでは水冷式の話は省くけど、ZC33Sは空冷式インタークーラーなんだよ。」

宮「水冷式の方が冷えそうなイメージだけど・・・・」

石「まあ、主にコストの問題ね。水冷式は構造が複雑なんよ。空冷式は仕組みが単純だし、風を当てて冷やすので速度が上がれば効率も上がるメリットもあるばい。」

宮「なるほど。で、純正品と社外品で違いがあるのん?」

石「写真を見て」

※写真はminkaraより転載

石「上が純正のインタークーラーコア。下がトラスト製のインタークーラーコアね。コアっているのはインタークーラーの中心って意味。他にもパイピングとかあるから。」

宮「大きさが違うね。エアコンのコンデンサに似てるばい。(一応元エアコン屋)」

石「そそ。空冷式だから、空気を当てる面積を大きくすることで冷却効率を上げるわけ。下の写真がコアの厚みね。上がトラスト製、下が純正。明らかにトラスト製の方が厚い。これも放熱効率を上げるためね。

※TRUST製、オイルクーラーは別売り。

宮「なるほど!わかりやすいね。」

石「これはトラスト製だけど、ほかにもトライフォースやHKSからも出てる。違いは各社大きさが異なること。この中で一番リーズナブルなのはトラストで、セーフティパッケージにもつけられて、バンパーを切ったりしなくてもイイのが売りね。」

宮「それはわかったけど、具体的に交換したらどう感じるの?」

シャシャダイ 5速全開時のデータロガーによる吸気温度の比較です。純正のインタークーラーでは、5速 1,800rpm 〜 6,300rpmまでの間に吸気温度が【27℃ → 42℃】まで【+15℃】上がっておりましたが、TRUSTインタークーラーに交換後には、1,800rpm 〜 6,300rpmで計測すると【26℃ → 31℃】と【+5℃】と吸気温度の上昇を大幅に抑える事が出来ました。吸気温度が冷えた事で中・高回転域では出力値も向上致しました。実走でも安定した吸気温での走行が確認できる等、全てが良い方向になるインタークーラーKITでした。

SAH浜松ブログより引用



石「SAH浜松さんのブログによれば、トラスト製のインタークーラーで、吸気温度の上昇をこれだけ抑えることができ、出力も向上してるとのこと。冷却効率が上がるわけだから、単純にエンジンのレスポンスが良くなる。つまり、アクセルを踏んだときにパワーが発生するまでがより素早くなる、と考えられるね。」

宮「おお!!それいいじゃん!!つまりフィーリングもアップするのね。」

石「そうなのよ。フィーリングアップならサブコンやECUに行きがちだけど、イイ吸気を送り込むこともその選択肢の一つだね。

トライフォースカンパニー製。コア部がかなり縦に大きいことがわかる。



宮「じゃ、サーキットとかじゃなくても効果はあると。」

石「あるね。パイピングの長さまで変えるとレスポンスに違いがでるみたいだけど、純正置き換えならフィーリングは良くなるはずだよ。バンパーを外せる人なら交換は難しくないハズだよ。」

宮「よし、お金貯めよう!!」

石「そこからね(笑)」

まとめ

インタークーラーはエンジンに「良い吸気」を送り込む重要なパーツ。
だから、より質の高いものに交換すれば、エンジンのパワーやレスポンスそのものを改善することが期待できるパーツだと考えられます。

各社出ていますが、セーフティパッケージには着かない製品もあるので、対応品かの確認をお忘れなく。


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自動車物書きユニット MetabonZ。
理系と文系の著者による「わかりやすさ」「読みやすさ」を目指したブログです。
豊富なクルマ遍歴と謎の知識量。日々頑張ってます。
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