Metabon石です。
もうちょいなんとかならんかなぁ~?と満足しきれていない感がある現在の足。EDFCをもってしてもハードの限界は超えられないのか?!
今、現状で出来ることは無いかと考えた時に、一先ずリヤサスの突き上げ感や、フラフラと落ち着きのなさを何とかしたいな~という事で、前回トーションビームストッパーを取り付けた記事を書いた。
その記事内でも告知したが、今回突き上げの減少について触れる。
WARNING!!
本稿で取り上げる内容は、車高調整式サスペンションにおいて、メーカー選定の構成部品を故意に変更する内容になります。
従って、メーカーが想定している負荷条件等が場合によって逸脱し、耐久性が著しく低下又は破損に至る可能性があります。
以下本稿の内容はあくまで実験的ネタであり、自己責任の上一時的に検証したなものです。
又、広くこれを推奨するものではありません。
突き上げのメカニズム
残念ながら、ZC33Sのリヤサスは構造的にストロークが取りずらい為なのか、大きな入力によりサスペンションがフルバウンド(縮む)する様な場合、大きな突き上げを伴う。
これは、車高調整式サスペンションや、ダウンサスによって車高を下げた場合、理屈上より強く感じるはずだ。その突き上げを引き起こしているのが、バンプラバーと言われる部品である。
ではバンプラバーは何の為に付いているのか?
それはショックアブソーバー(以下ダンパー)の底付きを防いだり、バネが線間密着した際の衝撃を防ぐほか、「第二のバネ」として積極的に使用する場合もある。
ここで、少しZC33Sに車種を絞ろう。
ZC33Sの場合、前後共ダンパーのシャフト部分に串刺し状に取り付けられている。通常はダストカバーに覆われて外から確認することは不可能だ。
で、突き上げのメカニズムは以下の様に起こっている。
黄色い矢印のように車体が下がる(縮む)と、ダンパーのシャフトがダンパー本体に潜り込んでいく。ストロークがいっぱいになる手前で瓢箪型のバンプラバーがダンパーケースに当たりここで衝撃が発する。
バンプラバーはその名の通り、硬度を持ったラバー(ゴム)又はウレタン製であり特性上バネ定数を持っている、言わば「ばね」であり、大きな衝撃を反発しながら吸収する。
これが突き上げ感となっている。
TEIN FLEX Zのバンプラバー
常々、もうちょい突き上げ感が少ないと良いんだけど・・・
そう感じるFLEX Z。
これはストリートユースでの乗り心地を考慮した低いばね定数(FR:49.0N/mm、RR:34.3N/mm)により、凸路などでは容易にフルバウンドに到るからと推測される。当然EDFCによるダンパーの減衰力調整ではどうにもできない(そもそも上下Gは感知しない)
特にリヤサスに於いてその傾向が強いことから、先ずはリヤサスのバンプラバーを見てみることにする。
車両からダンパーを外し、ダストケースは外すと白っぽい三段腹の物体が出てきた。これがバンプラバーだ。
ゴムというよりはウレタン製かな?
過去色々な車のを見てきたが、異様に小さく固い。現品を見ると頻繁にバンプタッチしていたことが伺える。
さぁ、これをもう少し柔らかい物に置き換えたいと思う。
汎用品も車種専用社外品もある
ネットでリサーチすると、様々な形状・特性の汎用品が沢山ある。
また、ZC33Sの純正ダンパーにダウンサスを組んだ際の突き上げ対策として、SWKさんから専用のものも売られている。
SWK ZC33S ローダウンバンプラバー、4500円(税別)
ローダウンに合わせて長さが短く、形状により突き上げ軽減を狙っている。
まぁ、とりあえず「実験」なので、家に転がっている純正ダンパーから純正バンプラバーを摘出しようと思う。
と思ったら、ダストケースが外れない。
よく観察すると、シャフトのカラーがカシメてあるようだ。
という事で純正のバンプラバーを外すには、少々破壊行為が伴う。
先ほどのポッチ部をドリルで揉むと外れた。
純正バンプラバーとご対面。二個必要なのでもう一個も同じ様に取り出す。
中も外径に合わせて凸凹状になっており、そもそもの材質もテインより柔らかい。材質はこちらもウレタンの様だ。
テインと比較。
長さが倍位違う。
このまま使うか、長さ合わせ(カット)して使うか・・・悩むこと5秒。
斬った。切り落とした下の方を使うことにして、外したダンパーを元に戻す。以降、本件に関する画像は写真撮り忘れの為無し(笑)
効果は?
通勤、ホームコースの山、高速道路を走ってみた。
先ず、通常路での乗り心地は変わらない。問題は大きな段差などを通過した時だ。通勤途中に数か所ある。
当然だが、狙い通り「リヤの」突き上げはかなり減少した。
なので余計フロントの突き上げ感が増してしまったかもしれないが、やむなしOKといったところか。
いつものお山では、直線部に表れる速度抑制の為のうねり路、ここはスピードを抑えないと盛大に跳ねるのだが、リヤの突き上げとその跳ね返しが無くなった。
山といえばコーナー。
もしこのバンプラバーが第二のバネとしてコーナリング中の外輪で働いていたとしたら今回の柔らかいバンプラバーでは役不足となりそれがフィーリングの違いとして露呈するはずである。しかし、同時に取り付けたトーションビームストッパーの効果の方が大きく、特に不都合は現れなかった。
まとめ
リヤのバンプラバーを柔らかいものに変更(今回は純正加工)は、概ね良好な結果となった。
ドーン!!とくるリヤの不快な突き上げはかなり減少するだけで、こんなにも印象が変わるのか、、、(少々大げさ?)
あとは長期的に見てどうなのか?
柔らかいバンプラバーが吸収できる入力を大幅に上回る衝撃が発生した場合の背反(ダンパーへのダメージ、車体へのダメージ)は無いのか?
しばらく注視しながら実験を継続する。
フロントについてはどうするか?
と言うより、ダンパーとしてどうなのかという視点で次回お送りします。
自動車物書きユニット MetabonZ。
理系と文系の著者による「わかりやすさ」「読みやすさ」を目指したブログです。
豊富なクルマ遍歴と謎の知識量。日々頑張ってます。
Metabon宮 Metabon石