そして、意を決してEDFCを導入したのだが、その話の前になぜコラムのタイトルがこれなのかについて話しておきたい。
クルマのどこに一番重きを置くかは人それぞれだろうと思うが、毎日の足として使う上で足回りは非常に需要である。
トルクフルでレスポンスの良いエンジンはもちろん最高だ。しかし、通勤でそんなにスピードは出さなし、ハイパワーを実感する場面はあまりない。
で、飛ばさないときに一番意識するのはやはり足回りではなかろうか。
若いころは、それこそ「ガチガチ」の足のクルマに乗っていた時期もあった。
硬い脚=スポーティという図式があったのも事実だ。
しかし歳を重ねたことで、ショックを直接伝えてくるヤツは少々辛くなってきた。
また、中途半端に欧州車をカジってしまったことで、自分の好みを知ることになる。といっても190Eとスバル・トラヴィック(オペル・ザフィーラのOEM))だけだが。
この2車、メーカーも違うし年式も駆動方式も違うが、共通しているのは、足が硬くても乗り心地が良いということだった。
どういうことか。
いわゆるタクシーのようなフワフワな乗り心地、ショックを伝えないソフトな乗り心地が自分にとっての良い乗り心地とは限らないことを初めて理解したのである。
フワフワ感はなく引き締まっており、路面の状態をよく伝えてくる。でもゴツゴツはせず、衝撃や揺れを一発で収めて、何事もなかったかのように走り抜ける。
鋼のような・・・とでもいえばいいか。
かつて乗った国産車たちの座布団の上に座って走っているような感覚とは全く異質の乗り心地。ヨーロッパの石畳の上を走るために鍛えられたと云われるセッティング。(そういえば現行スイフトもそういうアピールをしていた)
良質のダンパーに剛性の高いボディやシャシが組み合わさってできた、乗り味。
俗にいうドイツ車の足だ。
通勤にそんな足回りだったら最高なのは間違いない。いや間違いなかった。
で、我がスイフトスポーツは、実はそのドイツ車風な乗り味を少しだけ持っていた。どっしりと路面をつかみ、いたずらに硬くもなくしなやか。だが、本家には一歩及ばない。かけられているコストが違うのもある。
それが社外車高調サスで無残にも失われてしまったわけだが、なんと試乗したEDFCつきのZC33Sは、自分の求めていた乗り心地、乗り味を持っていたのだ。
まさに「これだ!これこれ!」と心の中でガッツポーズしたのは言うまでもない。
そう、足が決まれば、がぜん「毎日が楽しくなる」のである。
つづく
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