過剰さとロックな人生
スイフトスポーツの魅力は何か?と聞かれてみなさんはなんと答えるだろうか。
速さ?安さ?バランス?
いろいろな意見や考えがあると思うが、Metabon宮が考えるのは小見出しの通りだ。
「過剰さ」とは990kgの軽量な重量に対する23.4kgmの強靭なトルクがもたらす暴力的ともいえる加速である。
この暴力的な加速で一瞬で魅入られたのが筆者自身である。
「なかなか速いね」だとそれは「想定内」である。
すでに経験したか、予想した範疇だったということ。
競合した某ディーゼルが売りのコンパクトカーがそんな感じだった。
しかし、ZC33Sスイフトスポーツは違った。
試乗車はATで、営業マンは申し訳なさそうに「オートマしか今ないんですよ」というが、まさにそのオートマに乗りたかったのだ。
で、街中をゆるゆる走る分にはいたって普通。むしろ足のしなやかさに好印象。
そして路面に張り付くような独特の感じ。
そしていよいよ営業マンが「ここで踏んでみてください」と笑顔になる裏道の農道に出た。緩いカーブが続く見通しの良い道だ。
じゃ、遠慮なく・・・・・・
ぬおおおおおおおおおっ は、速っ・・・・・
シートバックに押し付けられる背中。
息が止まる。
え?マジか・・・
もう一回踏む。
むおおおおおおおおっ!!(た、楽しい)
ブレーキも鬼のように効く。
まるでジェットコースターだ。こんなの走らせていいの?
右に左にステアリングを切る。曲がる。曲がるぞ~!!
試乗を終え、すっかり買う気満々になってしまったのは言うまでもない。
もちろんそれまで何に乗っていたかで感想は違うだろう。
それこそランエボやインプなんてのに乗っていた人なら感想も違うと思う。
なんせ、筆者がそれまで乗っていたのはN-BOX(NA)だったのだ。
58ps(6.5kgm)で1トンのボディを走らせる軽自動車と比べるのも酷だ。
ほぼ同じ車重に対し、約4倍のトルクだ。
これを「過剰」と云わずして何というのだ。
この「過剰さ」が眠っていた自分のクレイジーな部分を刺激したのだ。
「人生、もっとロックに生きていいんじゃないか・・・・」
・・・・・まあその後コテンパンにやられたのはどうでもいい話・・・
上質さ、ついに日本上陸
上質さ、と書くと「いやスイスポって安っぽいじゃん」なんて思うかもしれない。
クルマには必ず「乗り味」が存在する。
「軽い」「重い」「しなやか」「がさつ」「固い」それらが組み合わさっていろいろだ。
筆者がスイフトスポーツ(ZC33S)に感じたのが「上質さ」だった。
まずティーラーから国道に出た時の段差のいなしが「ドン」ではなくスッとしなやかにいなす感じ。
この感じはまさに欧州車のそれである。(ドイツしか知らないけどね)
この価格のクルマにこのしなやかなサスなの?
まずこれに驚く。
そして、飛ばしてもちゃんとパワーを受け止めているから凄い。
いわゆるジャジャウマ感がないのだ。
若かりし頃の愛車たちがよみがえる。
ファミリアターボ。速かったけど手ごわかった。
トルクステアがすさまじかった・・・・乗り心地もガッチガチ。
でも、スイフトスポーツは違った。
しなやかなのに馬鹿ッ速なのだ。まさに上質さ日本上陸。
もう月日も30年近く流れているから当たり前だけど、FFスポーツってこんなもんだろうという決めつけがあった。
ハイパワーに固い脚、跳ねるサス。汗臭いスポーツ。
それがまるっっと覆されたのが大きい。
で、この上質で速い、が気に入って購入に至ったワケである。
もちろん、そこに安いが入ったのはいうまでもない。
みなさんはスイフトスポーツのどこが決め手となって購入に至ったのだろうか。
一人一人にきっとドラマがある、と筆者は考えている。
Metabon宮
自動車物書きユニット MetabonZ。
理系と文系の著者による「わかりやすさ」「読みやすさ」を目指したブログです。
豊富なクルマ遍歴と謎の知識量。日々頑張ってます。
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