ZC33S コラム

【実験】リヤのばねを変えてみた【失敗】

注文していたFLEX Zが家に届き、ワクワクMAXで箱を開けた時、
一瞬リヤばねが入ってない?!と思ったのだった・・。

元々クロカン4駆乗りの自分には、あれが自動車のばねには見えなかったほど、小さく自由長が短いばね。

取り付け作業の際にも、取り付けた後も、ほんとにこんなんで良いのか????の思いが払拭できないまま、半年が過ぎた。

今回はずーっといつかなんとかしたいと思っていた、リヤばねの変更=リヤの車高調整システムを捨てる実験をしてみた。

申し遅れました、ワタクシ、MetabonZ R&DのMetabon石でございます。

ZC33S用の車高調整式サスペンションのリヤは、ダンパーと別配置となっているスプリングに、車高調整のためのねじ式の「下駄」が備わっており、ただでさえ自由長が少ない(と自分には感じる)のに、めったに調整しないためにこんなものを噛ませてスプリングを短くするなんて!と思っていた。
キツイ突き上げも、これが起因なんじゃないかとの疑いもあった。

下駄を無くして、今より自由長の長いばねにしたらどうなるのか?やってみようじゃないかと、とある「ばね」を入手した。当然中古品でお安く手に入れたのは言うまでもないが、一応スペックとしてばね定数は今のばねと同等であることは確認済みであるということ以外は非公開とさせていただく。

こちらをご覧頂きたい↓↓↓

<左から、①純正 ②某ダウンサス ③FLEX Z>

さっさと組み替えて走ってみたいのを抑えて、まずこの3つのばねを比較する。姿、形からだけで読み取れる仕様は以下の通り(間違ってたらごめんなさい)

①純正と②某ダウンサスは自由長はほぼ同じ。線径もほぼ同じ。異なるのは巻き方で、①純正は巻き数5.5巻、等間隔の直巻きで線形に近いばね定数。巻間隔が広いのでコシがありそうなのに対し、②某ダウンサスは7.5巻、下から3巻までは①純正と同じで、残り4.5巻は巻き間隔を狭め、不等ピッチ(非線形ばね定数)となっている。
ちなみに③FLEX Zはというと、①、②に比べ自由長は下駄分短いが、巻き数は5.7巻ほど、線径はやや太い、中央2巻ほど巻き間隔を狭めた不等ピッチで、こちらも非線形ばね定数ではあるが、線間密着時の打音を嫌ってサイレンサーが標準で巻かれている。

パッと見、どう見ても③FLEX Zが不利に思えるが、車両に組み付け1G状態(プリロードが掛かった状態)の様子でも大きくフィーリングは変わるところである。

この時点で少し嫌な予感がしたのは言うまでもない。。。

早速組み替えて走ってみる

ばね交換は朝飯前、サクッと交換できる。
まだダンパーの固定はしてないのでプリロードはかかっていないが、下駄がなくなりスッキリしたリヤサス周り。

この後、ダンパーの目玉とトーションビームのダンパー固定穴が合うまで トーションビームをジャッキで上げ、 ダンパーを固定する。

タイヤを取付け、車をウマから降ろす。

5mmほどリヤの車高が上がる(リヤフォグの位置で計測)。姿勢としては悪くない。早速走ってみる。

結果は、常に車がピョコピョコと揺れ、落ち着かない状態になってしまった。
こんな時こそ、EDFCの本領発揮だ!!と思うも、とある現状が原因であることに気付いていたので、一応マニュアルモードで固くしたり柔らかくしたりしてみたものの、どうにもなりそうにないと諦め、数時間で元のFLEX Zに戻した。

ということで今回の実験は失敗に終わった。

実験失敗の要因は?

完全に代替ばねの選択ミスである。

安易に某メーカーのダウンサスの中古が目に入り、非線形ばね定数であることに期待したのが大きな間違いだった。

つまり、ピッチの細かい巻き間部分が1G状態でほぼ密着(線間密着)し、単なる嵩上げスペーサーと化していたのである。

これではばねとしてはたったの3巻分しか機能していないことになり、ピョコピョコした不快な感じは、これが原因であると推定する。

当然、このばねは純正ダンパー(と、そのストローク)用に開発されたものなので、純正ダンパーでは特に問題はないのかもしれないが、ショートストローク化されたFLEX Zのダンパーでは伸び側のストロークが不足してこのばねのうま味を使いきれない。

じゃーどうすればいいのか?

どうもしないのが一番。

ということが判った。
それでも!というのであれば、
案として、純正ばねと同じばね定数、巻き数、巻き方で自由長を車高落としたい分(30mm)短いばねをオリジナルで作るしかない(笑)もしくはFLEX Zのばねの自由長が長いやつ。

というわけで、実験は失敗だったけど、やってみたかったことの1つは消化できたので良しとしたい。

MetabonZ

自動車物書きユニット MetabonZ。
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豊富なクルマ遍歴と謎の知識量。日々頑張ってます。
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