新シリーズ、ちょっとした素朴な疑問に我々MetabonZが全力回答するコーナー!!
第2回目はスイスポが2型になってちょっと「社外マフラー」方面でざわついているということで、排ガス規制・騒音規制とマフラーの話でも。
2型になって何が変わったの?
石「ねーねー宮さーん。この中で平成30年度排ガス規制に一番詳しいのはだーれ?」
宮「・・・・・・チコちゃん風に聞いても二人しかおらんやろ!!」
石「だよね(笑)。前回ワシが応えたから、今度宮さんね。分かんなかったら調べて!!(ビシィッ)」
宮「グッ・・・・」
カタタタタタタタタタ(調査する音)
パラパラ・・・ゴソゴソ(調べ物をする音)
宮「んで、何が知りたいのん?」
石「今回スイスポが2型に変わったじゃん?で、Twitter見たら、今流通している1型のマフラーが2型には着けられないって軽い騒ぎになってたんよ。これは本当なの?」
宮「本当だよ。ついでに言うと1型で社外マフラー最高!!イヤッホウ!!と楽しんでる我々も、この先社外マフラーが楽しめなくなるかもよ??」
石「マジかっ!?」
CBAとかDBAとか4BAって何?
ABA | 平成17年規制に適合させたもの |
---|---|
AAA | 平成17年規制に適合させたハイブリッド車 |
CBA | 平成17年基準排出ガス50%低減レベルのもの |
DBA | 平成17年基準排出ガス75%低減レベルのもの |
CAA | 平成17年基準排出ガス50%低減レベルのハイブリッド車 |
DAA | 平成17年基準排出ガス75%低減レベルのハイブリッド車 |
宮「上の表を見てほしいのだけど、この3文字の記号が「自動車排出ガス規制及び低排出ガス車認定の識別記号」というヤツね。」
石「長っ!!」
宮「車検証の型式ってとこ見てみて」
石「あ、これか!!このZC33Sの前にある3文字がなんか意味あるの?」
宮「簡単にいうとその車の環境性能がわかるんだよ。上の表見て。我々1型のスイスポはCBAでしょ?これを見ると、平成17年基準排出ガス50%低減レベルのものって書いてあるのよ。リアハッチのガラスにシールあったでしょ?低排出ガスのやつ。」
石「あったね。はがしちゃったけど(笑)」
宮「最初のCの字。これは排ガスの平成17年規制に適合しててかつ規制値の50%も低減したよ、というものなんだよ。」
石「じゃ残りのBAにも意味があるの?」
宮「あるよ。あんまり詳しく言うとメンドクサイのではしょるけど、2文字目のBはガソリン車でハイブリッド機構がついていない、という意味。ついていたらそこはAになる。ちなみにディーゼルはC(ハイブリッド有)D(ハイブリッドなし)なんだよ。」
石「最後のAは?」
宮「最後の一文字は用途と重量要件なんだ。Aは17年度規制に適合した乗用車という意味。」
平成30年度排ガス規制とは?
石「じゃあ2型の4BAというのはどんな意味?」
宮「イイ質問だね。実は2型から長らく使われてきた平成17年度規制から新たに平成30年度規制に変わったんよ。」
石「なにが変わったの?」
宮「それまでの試験方式のJC08方式からさらに厳しいWLTC方式に変わったのが一つ。二つ目は規制値が若干厳しくなったんだ。それと、今までなかった直噴エンジンについてPM(粒子状物質)の項目が増えたんよ。」
石「・・・頭こんがらがってきた(笑)
宮「(かまわず説明)で今度は4が、排出ガス25%低減レベル(平成30年規制に適合した上で、基準排出ガスよりも25%低減させたもの)でBAは今までと同じでハイブリッドなしのガソリン乗用車ってこと。」
石「じゃあ、いずれ発売されるだろうハイブリッドだと・・・」
宮「変わるよね。4AAか・・・そこはちょっとまだわからんですよ」
CBAと4BAでマフラーがちがう?
石「それはわかったけど、なんでマフラーが2型でつかなくなるの?」
宮「ハイハイ調べましたよ。今我々が1型スイスポに装着しているマフラーは車検対応マフラーだよね?」
石「んだ。」
宮「この車検対応マフラーっていうのは国土交通省の認証というお墨付きがないと発売できんのよ。で、その認証に合格しているのがZC33S用だと先ほどのCBAという型式なんだよ。で、車検証にCBAーとあるクルマにはこのCBAで認証を受けたマフラーしかつけられないのよ。」
石「え?4BAにはつけられないの?」
宮「取り付けができるか、じゃなくて車検に通らないんだよ」
石「!!」
宮「あと、マフラー交換した時に「性能等確認済証」がついてくるんだよ。それがないと車検に通らないから要注意だよ。」
石「捨てないで良かった!!(汗)あ、じゃあさ、4BA適合ってマフラーなら1型に着けていいの?」
宮「それもダメ。あくまで車検証上の型式と合致してないと。だから、今後発売される社外マフラーはCBA/4BA)と二つに適合認証を取り直して発売されると思うよ」
石「なるほど、これテストに出るね(笑)」
宮「でもさ、実はマフラーの型式認証ってすんごいお金かかるのヨ。大きなメーカーなら自社で試験設備を持ってるけど、小さいメーカーは厳しいだろうね。」
石「マフラーメーカーも大変だね。とにかくこれからマフラーを交換する人は、車検証を見て、CBAか4BAかに気を付けて買うこと、だね。」
騒音規制の強化が迫る?!
石「それで、我々みたいにもうマフラー変えちゃったユーザーが困るかもしれないことって?」
宮「さっきの型式記号の件とはまた別に社外マフラーに厳しい法律が施行されとるのよ」
石「まじか?!」
「自動車騒音の大きさの許容限度」(昭和50年環境庁告示第53号)が改正され、交換用マフラーを備えた車両のうち、四輪車などの近接排気騒音について車種ごとに上限値を定めた絶対値規制に代えて、使用過程時、新車時騒音から悪化しないことを確認する近接排気騒音の相対値規制が導入されました。
宮「現在施行されているのは平成28年度騒音規制で、従来のものより5db規制がきびしくなっているのよ。この場合の騒音規制は近接騒音測定といって、停車した状態でマイクを設置して図るやつね。」
・車両後部にエンジンを有するもの(MR、RR):95 dB
・車両後部以外にエンジンを有するもの(FF、FR、フロントエンジンの4WD):91dB
宮「で、スイスポはFFだから91dBが適用されるんだけど、経年劣化を考慮して+5dBの96dBまでが許容される、としているわけ。もちろん、社外品の場合、JASMA(日本マフラー協会)の認定と証明書類があれば大丈夫。」
石「じゃあ特に我々は関係ないんじゃないの?」
宮「当面は大丈夫だと思うよ。問題は経年劣化なんかで音が大きくなったときなんだよ。」
石「インナーサイレンサーとかつければいいんじゃないの?」
宮「それが、2010年4月以降生産車にはインナーサイレンサーをつけてはいけないのよ。」
※2010年4月以前の車両に関してもサイレンサー等の取り付けは可能だけど、溶接もしくはリベット留など、取り外しができるものは不可になった。
石「マジで?」
宮「そう。だから、車検が通らないかも・・・の心配がある人は純正マフラーを確保しておくのが手だね。」
石「なるほど、処分しなきゃよかったなぁ純正マフラー。」
※純正マフラー、置き場所の問題などで処分する人が多いと思うけど、もし補完できるなら確保しておいた方が良いと思われます。
後でヤフオクとかで値段が高騰する気がしないでもない予感・・・・
宮「純正マフラーの場合、純正であると検査官が確認できれば、検査自体は厳しくはないそう。あくまで音のデカい社外品を取り締まる法律だからね。」
石「マフラー交換もなかなか大変になってきたもんだね。」
宮「いずれ、マフラー交換自体がプレミアムなものになるのは間違いなさそう。」
まとめ
どうでしょう。社外マフラー交換、実は結構いろいろ考えないといけないんですよ。
ちなみに現在自動車業界を震撼させているのが「新車時の騒音規制」のフェイズ2※が2020年10月1日以降に生産される車両に対して適用されます。(継続生産車については2024年9月から)加速時騒音の規制が強化されて70~74dBと、電動化なしには通過できないのでは、といわれているのです。つまり純ガソリンスポーツは壊滅・・・する運命にありそうです。
※フェイズ1は2016年10月1日以降に生産された車両に適用され、加速時騒音は72dB~75dB
ちょっと小難しかったかもですが、知っておくと役に立つ情報でした。
Metabon宮
自動車物書きユニット MetabonZ。
理系と文系の著者による「わかりやすさ」「読みやすさ」を目指したブログです。
豊富なクルマ遍歴と謎の知識量。日々頑張ってます。
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