<前書き>
EDFCのススメに続く新連載、ボディ補強のススメ。
#1では、ボディに補強を足すという行為はリスクを伴うかもしれないが、気持ちよく走らせる為にはメリットの方がうわまるんじゃないか?という仮説に辿りついた、という話をした。
そもそも、年間2万~3万kmも走ってたら5年も経てば10万km超えは確実だ。寿命が縮まるだのなんだの言ってなにもしなくても、もう買い替え予備群の仲間入りだ。なんならとことん楽しむ方が良いのでは?と思う。それと、メリットもデメリットも、やってみなければただの空論だ。やるっきゃないっしょ?
こうしてボディ補強の実践は始まったのであーる。
でも、始める前に補強される車体について、知る必要があるよね。ただ売られてる補強パーツを取付て、どーだ??ええんちゃう??では面白くない。
と言うわけで、もうちょい理屈っぽい話が続きますよ。(Metabon石)
Contents
モノコック(応力外皮構造)
モノコック、モノコック構造とは、自動車・鉄道車両・ミサイル・一部の航空機などの車体・機体構造の一種で、車体・機体の外板に応力を受け持たせる構造のことをいう。モノコックの特徴は、組み合わされているパーツ全体で剛性と強度を保持するようになっており、メリットとして、軽量で剛性が高く、衝突時のエネルギー吸収性に優れ、乗り心地が良い。(wikipediaより抜粋)
既に皆さんもご存知かと思われるが、乗用車の場合はシャシー(車台)に相当するプラットフォーム(ビルトインフレーム構造)に、側面パネル、バルクヘッド、ルーフパネル、リヤパネルを結合した「ホワイトボディ」がモノコックに当たり、フェンダーやドア、ボンネット等は基本それに含まれない。
ホワイトボディを構成する部材は、薄い鋼板をプレス成型したものである。当然、薄い鋼板一枚ではペラペラであるため、複雑な形状にプレスされ、部位によってはインナーパネル/アウターパネルと言うように二重構造にしたり、応力が集中する部位などにはがセット又はレインフォースと呼ばれる当て板が追加される。ピラーやサイドシルは箱状にして断面係数を上げ、剛性や強度を確保している。
それら部材と部材の結合はスポット溶接が一般的である。
スポット溶接
TVや工場見学等で見たことがある光景かと思うが、自動車メーカーでの車体の組み立て工程の画像で、ロボットアームによりスポット溶接と言われる溶接法で組み立てを行っている。
スポット溶接とは、接合したい部材を電極棒で挟み加圧しつつ電流を流し、その接触面に発生する抵抗熱により母材内部で溶融凝固を起こして溶接する。
スポット溶接で一番わかりやすいのが、ドアの開口部やリヤハッチの開口部にウェザーストリップが嵌っているいる部分、そのウェザーストリップを外すと、丁度鉄板と鉄板が2枚合わさっており、30~50mm間隔で丸い窪みがあるはずだ。そう、打点のピッチは狭い方が強いが、打点が増えればそれだけ工程時間も伸びる為、メーカでは必要箇所/打点数としている。
さぁ、ここまできたら、もうピンと来る方が結構いると思う。
スポット増し?
スポット増しとは、既にあるスポット溶接のポイントとポイントの間に、スポット溶接を増し打ちすることである。パネルとパネルの溶接個所を増やすことで結合部の強度を増し、剛性がアップする。メリットとしては、重量が増えない。応力集中等のリスクが少ない等。デメリットは施工が大変(費用も時間も掛かる)、錆びやすい等。。
また、無闇やたらに打点を増やせばいいというわけでも無い。スポット間隔の限界は20mmが限度と言われている(電気抵抗による溶接のため、分電を起こし溶接が不完全になる)
大変長い前振りになったが、ボディ剛性を上げたい、けど、補強パーツを足すのはちょっとなぁ、、、と「まだ」心の底で思っているときに、これを思い出した。
そういや昔、K11に乗っている頃、同じくk11に乗る板金屋努めの友人が、ある種職権乱用を行使し、自分の車を、ちまちま職場でやっていた。
同じk11の3ドアなのに剛性感、いや、感ではなく、はっきりと剛性が違う。
当然、自分のもやってくれと頼んだけど断られた。
やはり施工ははたから見ていても大変そうだった。
塗装をベルトサンダーではがし、スパッタが飛んでもいいように養生する。
そんなのを思い出し二の足を踏む。馴染みの板金屋でもあればいいが、大抵快く引き受けてくれるところは無いだろう。
と言うわけでスポット増しはハードルが高いということで諦めた。
そんな時、仲間内からとある情報をもらう。
自動車物書きユニット MetabonZ。
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