思い出せ、走る喜び
それからの朝練はブレーキング(主にリリースが雑)やコーナリングのクリップの取る位置(タイヤ一つ分足りない)、4つのタイヤの位置の把握など、本当に何年振りなんだというような基礎的なことを繰り返した。地味だ。体育会系か。
しかし、EDFCにこだわっていた時よりなんだか楽しい自分に気付く。
理想のセッティングを求め、ハードの限界に挑戦、なんて思いつめていたが、そのハードを使いこなせる乗り手じゃないと意味がないことに今更ながら気づく。
集中してステアリングを握れば、それにしっかり答えてくれるZC33S宮号。
トルクフルでレスポンスの良いk14C。心地よいエクゾーストノート。
それにややオーバー気味に曲げるMetabonZセッティングの足回り。
1セット走るごとにクルマとの距離がさらに縮まっていく感覚。
そして何より、先導しながらあるいは助手席に同乗してアドバイスをくれるMetabon石氏の存在。
10年後、カッコいいジジイになっているか。
「ウンチクはいっちょ前だが、運転はてんでダメ」
そんなの自分でカッコいいと思えるか。
そのツールとして「理想の足回り」があるのだ。
ボディが悲鳴を上げ始めた・・・・
そんな時だった。
リアのバタつきをなんとかしたいという話になった。
セッティングではもうすでにかなりのところまで詰めてある。
これがいわゆるFLEX Zの限界なのか。
そう結論づけようとしたとき、リアハッチのシールの話になった。
リアハッチを開けるとハッチ側にショックを吸収するためのラバーが数か所あり、それを受けるボディ側に黒いシールが貼ってある。
このシールが激しくズレていることに気が付いた。
これが何を意味するかというと、走行中にリアハッチが動いているということになる。
あるいはボディ側がひずんでハッチのゴムとついたり離れたりしているのかもしれない。
足回りの性能を高めることはそれだけボディにも負担はかかるはずだ。
「ここはボディ補強を試してみるか・・・・」
Metabon石氏がつぶやいた。
つづく
自動車物書きユニット MetabonZ。
理系と文系の著者による「わかりやすさ」「読みやすさ」を目指したブログです。
豊富なクルマ遍歴と謎の知識量。日々頑張ってます。
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